2010年5月14日金曜日

中国での雇用に関係する問題

中国で会社をやっていると、常に雇用関連の問題がつきまとう。別に中国に限った問題ではないかもしれないが、経営者としても決断しなければならないことが多々あったりする。

採用では基本面接を行うが、技術関連職は面接する前に試験を行うようにする。面接の方法としては、これまでの経験などをもとにして下記のような採点方法を取っている。

  1. 面接時間の厳守(面接前10分〜2分前に到着しているか)
  2. きちんとした身なりをしているかどうか
  3. 最近のだれでも知っているような話題を知っているか
  4. 履歴書に書いてある事項と本人が述べている事項が合致しているか
  5. 言葉を選んでいるか、自然に話をしているか
  6. 目を見て話しをしているか
  7. 全然関係ない話題をふったときにどんなリアクションをするか
  8. 面接中の話し方は相手のことを考えて話をしているか
  9. 沈黙があるかどうか(合計15秒くらいの沈黙は不可)
  10. 話をふったときに仕事に関する話題をふってくるか。
個々に書いた内容でいうと、1)に関してはいうまでもなく、社会人としての常識およびその人の時間間隔を試すもの、2)に関しても社会人として、および人格的なものを、3)は社会人として当然しっているべき情報を仕入れているかどうか、または情報に敏感であるかどうかということ、4)は頭の中がきちんと整理されているかどうか、および履歴書に書かれていることが真実であるかどうか、5)は過度に緊張していないか、自分の言葉で話をしているかどうか、および人の受け売りだけしてはいないかどうか、6)は今話している内容を自信を持っていっていることなのかどうか、7)は頭の回転および機転の良さを、8)は当然ながら仕事でコラボレーションする際にきちんとできる素質を持っているかどうか、9)は頭の回転の良さおよび雰囲気を察することが出来るかどうか、10)は自分の給料のことしかいわないかどうか、などの点をチェックする。

この他に、笑顔で受け答えするかとか、そういうのも昔はあったのだが、あんまり笑顔を期待してもしょうがないことがわかってきたので(誰も笑わないし)、あるころからやめた。

これらは、書類選考でだいぶふるい落としてから、上記のような角度でみていくのだが、こういう形でみていって残ってくるのは10人いて1人いるかどうかである。そういう中から一生懸命選んで行って、最終的に「おお、この人は本当に採用して正解だった」と心から思える人材は、さらに1/10以下である。

こんなことは、日本でもそうなのだろうとはおもうが、日本と中国を橋にかけて中国で仕事をするとなると、日本語がしゃべれます、だけでは仕事にならないケースがおおく、かといって人格とか社会人的な適性だけで選んでも、言語的に全く役に立たないというようなこともあり、バランス感覚が非常に難しい。なので、書類選考で相当絞りに絞って、日本語での履歴書やら中国語での履歴書やらで一旦ふるい落として、その上で面接をやってもこの程度のものである。逆に日本語能力の有無が関係ない職種(要するに中国語のみでOKの職種)は、多少楽にはなる分、その分見るところも多岐に渡る。ただ、書類選考で落としていた人材が再度応募してきて採用してみたところ、大当たりだったということもあるので、書類選考というのも実は考えものなのかな、とか色々と考えてしまうこともあったりする。

じゃんじゃん人を採用してバンバン仕事をさせられるだけの経済的体力があれば別なのだろうが、少数精鋭で無駄なく経営していこうとすると、どうしても厳格な採用基準にならざるをえず、かといって少数精鋭の企業には一般的募集人数そのものが少なかったり、どうしても大手に母数が集まってしまうという悪循環もあり、これらの中から本当に有能な人材を探し出していくことは至難の業だ。また、外部などの人材紹介会社などに頼んだとしても、正直状況はそれほど代わり映えせず、多少マシくらいな程度。逆にホップステップジャンプと転職を重ねていく人が多く登録していることもあり、少数精鋭にはあんまりむいていない、なぜならば知識などの人的財産が継承されにくいからである。

これらだけで終わってくれるのならばまだしも、これらに加えて偽物の履歴書やら学歴証明をもってくる輩もおおく(私も一度引っかかったことがある)、それらの確認作業などもはいる。さらに通常業務が必要であるから、人材を採用するとなるとかなりの労力がかかってきてしまう。モチベーションを上げられるような目標や待遇、コミュニケーション、配置、採用後は教育をせねばならず、言語間のコミュニケーションをスムーズにさせる必要もあり、日本よりも考えないといけないことが多く、かといってそれら一つ一つが致命的な問題だったりするのが、結構厄介だ。泣き言を言うわけではないが、素質の高い人を大量に紹介してくれるような人材紹介会社はないだろうか? そしたら一発で使うのになぁ。。。でも、そういう会社があると、採用するときの楽しみもなくなってしまうかも。。複雑な心境だ。

(※写真と本文は全く関係ありません)

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