1966年に上海照相機廠から発売された「海鴎DF型」カメラは、135フィルム向け一眼レフで、60年代で最も成功したフィルム一眼レフカメラといわれている。クラッシックカメラ好きの方は、このカメラを見てミノルタのSRー1とおなじ形をしているように思う、と思われるかもしれないが、1964年に上海照相機廠がミノルタのSR-1をベースに開発をしたという、ようするコピーして作ったカメラだ。58ミリ単焦点レンズを備え、布幕フォーカルプレン式シャッターを備えている。シャッタースピードはB〜1000まで。またこのカメラはプレビュー版とよばれるカメラで、被写界深度確認ボタンをおしているような状態で見られるので、レンズを通して得られたボケ具合などもある程度綺麗にみることができる。また標準レンズはF2まで出ており、結構明るいレンズでもある。私の手元のDFにはUVフィルターをつけているが、当時はそんなものはなかったようだ。
発売当時は付加税込で180元という金額だったそうで、1960年当時の毛沢東主席の月給が404元だったそうだから、それを考えてもとんでもない金額だったことがよくわかる。また計画経済真っ只中で、かつ文化大革命の時代に発売されたカメラであり、ようするに、プロ向けのカメラとして発売されていたようだ。
このカメラ、ほとんど使っていない新品に近い綺麗な状態で保存されていた(多少の張り革の剥がれなどは40年以上前の古いカメラなのでしょうがないのだが)ものを、日本円にして1500円でゆずりうけたものなのだが、こんなに古いカメラなのに、各部は非常にしっかりと作動しており、頑丈なカメラだ。また金属ボディーもずっしりとしており、ボディーだけで1キロ弱あるのだが、これもまた手になじんで非常に気に入っている。写りも非常に素直で、付属のレンズもシングルコートながら見事な描写を実現している。SR、MC、MD各マウントが乗るので、安いレンズなども買いたせるのも魅力的だ。フィルムが手に入るうちは、こういうカメラを楽しんでみるのもまた一興かと思っている。
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