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揺さぶっても起きないほど眠りこけ、元気になった「納米」 |
拙宅ではミニチュアシュナウザーを2頭飼っていた。オスメスのつがいで、ぞれぞれ「納豆」「納蘭」という名前であった。納蘭は病気がちで2度の出産を経験したのだが、遺伝的な腎臓疾患を患っており、2009年5月に他界した。その後、納豆は男やもめとして一匹で暮らしていた。
納豆は非常に聡明かつお笑い系のキャラで、会社でも結構アイドル的存在であったのだが、このところずいぶんと元気を無くしてきていることもあり、 納蘭が昔使っていたグッズなどの臭を嗅いでいたりすることもおおく、寂しそうにしていることも多かった。
昨年の秋ごろに北京の動物保護施設のことを知り、一度見学にいったことがあったのだが、基本的に捨てられた犬や迷子になっていた犬などを自発的に保護しているおばさんが一人で切り盛りされているところだ。そこには200頭くらいの犬がいて、それぞれ大変人によくなついている犬だ。当然ながら人には向かったり噛むことはないし、無邪気にじゃれあっているといった、そんなところなのだが、日本のシェルターとちがって、なかなか理解者がいないそうで、切り盛りしていくのも大変なのだそうな。最近になって寄付が徐々に集まるようになって、支援者やボランティアも徐々に増えてきているという。
私は仕事も忙しいのでそれほど色々とお手伝いはできないものの、何かできることがあればということで告げていたのだが、元旦に電話がかかってきて、生後一ヶ月くらいのチベタン・スパニエル系の雑種の子犬4匹と母犬が保護施設の門前に置き去りにされていたとのことで、うちメス一匹が虚弱体質ということだった。 おばさん自体は非常に数多い犬の世話もあるため、掛り切りに慣れないということと、病気がちの子犬の飼育経験がある人に頼みたいということで連絡があったのだが、しばし考えた後、まずは引き受けてみようと思い、保護施設に行くことにした。
1月1日元旦早々、西六環の保護施設に行くことに鳴るとは思ってもいなかったのだが、実際にその子犬を見てみると、非常に静かでかなりおとなしい。普通は生後一ヶ月くらいであればかなり元気活発な頃なのだが、たしかに心配になるほど静か。また保護施設は暖房が入っているとは言え、壁に断熱材が入っていない環境では外気温がマイナス10度以下であるとあまり室温も暖かくならず(壁全体が冷房の状態で暖房を掛けても意味が無いのとおなじ)、正直かなり厳しい環境であった。
ひとまず連れてかえってからダンボール箱に湯たんぽをタオルをくるんだものと、ペットシーツを敷き詰めて、簡易の寝床をつくってやり、その後衛生的な環境にするために一旦温水で2度水洗いをし、タオルドライをした後にドライヤーで乾燥させ、ドライシャンプーパウダーを少しだけ掛けて、安静にさせた。また離乳食が始まっているということで、幼犬向けの犬用ミルクとドライペットフードを温水でふやかした物とビタミンとカルシウムパウダーを混ぜたものを与え、きれいな水も飲めるようにしておいた。我が家は温かく、他の犬も納豆一匹なのだが、納豆も全く騒ぐことなく静かに見守っており、揺さぶっても何をしても起きないほど、ぐっすりと眠っていた。
寝ている間に名前を考えたのだが、名前に関しては、「納豆」「納蘭」と「納」続きできたので、今回は「納米(ナーミー)」という名前にした。ナノメートル、という意味の中国語だが、Serverを使っている我々としてはナノテクは非常に恩恵をうけている技術。それにあやかって「納米」と名付けた。
8時間ちかく爆睡してからもぞもぞと起きだし、徐々に元気が出てきたのか、与えたドッグフードも完食し、徐々に元気が出て、少しずつ動いている。体温も相当上昇してきているので、ひとまず安心。毛の量がおおいので結構ふとってみえるのだが、触ってみるとまだまだ細い。もうちょっと食べさせて健康体になるまでは、目が話せそうにもない。しばらくは職場にもつれていって、すこし目をかけないといけないかなとも思っている。
それにしても生まれたばかりの子犬と母犬を同時に捨てていくとは、本当に許せない行為である。中国経済も上向きになってきており、いろんな人がペットを購入している。当然わが子のようにきちんとペットを育てている人も数多くいるが、まだまだ生き物を飼うという自覚がまだまだ薄い人が余りにも多いように思う。これもひとつの成熟度のバロメーターのひとつなのではないだろうか。