自社で運用するサービスなどを考えた場合、一般的に二つの選択肢がある。一つはメーカー純正のしっかりサポートがついた製品を用いること。もうひとつは自社で設計するサーバを開発し、運用することである。基本的に私の会社は前者をこれまで前提としておこなってきていた。しかし、中国は、世界の工場と呼ばれているだけあって、世界中のよいものが集まっている反面、粗悪なものも出回っている。なので、メーカー純正を購入するにしても、どうしても自社でのデバッグを完璧にしてから出ないと運用するのが怖いのだが、それなら自社で開発したサーバを運用するのと大して変わらないんじゃないか、と思えるようになってきた。さらに、最近どうにも我々が望むような、そんなサーバがなかなかない。とにかくオーバースペックになってしまうことが多々あった。
そのため、自社で運用するために必要な要素からスペックを割り出して、どんなサーバがよいのか、再度定義することにしてみた。当然ながら、開発コストや運用コストといったことも含めていくのだが、これがなかなかどうして、結構いいサーバがつくれそうな状況だ。というのも、ケースや基板、その他の部材をふくめて、かなりのサプライヤが中国に存在しており、それぞれが日本での価格よりも相当安価に手に入るという恵まれた環境にあり、これらをフル活用して自分たちにとってベストなサーバを開発できてしまう環境にいる。
かなりローレベルな話になってしまうが、自社で欲しいサーバのスペックは、ごくごく簡単なものだ。大まかなスペックは、1Uラックマウント型で1/2Uであること、P4レベル以上のCPU、2G以上のメモリ、3.5インチHDD(SATA)でRAID1構成可、NICが2枚、CentOS3.4での運用に支障がないこと、消費電力が低いこと、筐体内のエアフローがしっかりしており、安定した運用が可能で、信頼性に優れ、メンテナンスが便利であること、ケーブル類の取り回しが楽であること、この程度である。当然ながらミッションクリティカルな運用にも耐えることが前提だが、この程度のサーバを日本で構築したり購入する半分以下で作ることができる。
お客様向けのサービスに投入するには万が一のケースを考えた500%の万全を期さないといけないが、自社運営サービスであればある程度の安定性と運用面でデバッグができて、自信がつくのであれば、運用に投入しても問題はないと判断し、この程自社サーバ開発を決定した次第だ。コスト面の大幅なダウンと自社開発ハードのナレッジが蓄積できれば、将来の新サービス投入時にも十分応用することができる。見たくれは良くないかもしれないが、十分実用に耐えるサーバは、意外と難しくはなさそうだし、なによりも全ての勝手がわかったサーバであれば、運用時に万が一があっても何をどうすればいいかが瞬時に判明する。ということで、明日より開発開始!
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